今日も元気に食べ過ぎました。

毎日のごはんとおやつ絵日記です。ときどき、食べ過ぎて忘れます。

【始まり編】台湾のすぐれ鍋「大同電鍋」を買ってみた

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見た目は昭和レトロの郷愁漂う万能鍋

 

 発端は田中伶さんのnoteの記事。Facebookに友人がシェアしていたことから「大同電鍋」なる調理器具を知った私は、まず昭和レトロな外見に一目惚れ。

 

note.com

 

 おまけに私は調理家電大好き人間だ。うちには、フードプロセッサーやジューサー、ハンドブレンダーの定番だけでなく、ヨーグルトメーカーや電動シトラスジューサーもある。ふふん。 私がなぜ「大同電鍋」に興味を持ったかというと、東京・代々木上原で「按田餃子」を営んでいる按田優子さんの著書『たすかる料理』(リトルモア)を読んでいたからだ。

 

按田餃子

 

たすかる料理

たすかる料理

  • 作者:按田 優子
  • 発売日: 2018/01/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

  按田さんは中華鍋にせいろを乗せて、さまざまな蒸し料理を一度に作る技を駆使していた。それを読み、「面白そうだなぁ」と思ったのだ。ただ、せいろを使って蒸すには、蒸すための水分が切れないように注意しなければならないし、せいろを買う必要もある。せいろは以前、持っていたのだが、あまり使わないでいたら、カビてしまったという暗黒の思い出もあり、いまひとつ蒸し料理生活に踏み切れないでいた。 そんな経験があったところに、目についたのが「大同電鍋」である。何品も一度に作れる、下ゆでも簡単という、按田スタイルの料理がもっと簡単に試せるかもしれない。そう思ったら、欲しくてたまらくなった。

 

「迷ったらLサイズを買っておけ」のアドバイス

 

 ただし、調理家電の悩みは、場所を取ることだ。「大同電鍋」もけっこう大きい。6合のMサイズならまだかわいらしいが、10合のLサイズとなるとちょっと考えてしまう。だがしかし、調理道具は大は小を兼ねることが多い。ル・クルーゼの鍋も、見た目優先で直径20㎝のココット・ロンドを買ったら、「ぐ、具が入らねぇ」という事態がしばしば起こり、22㎝を速攻で購入する羽目に。いまでも、20㎝でいけるだろうと思って、ポイポイ具を増やしているうちに、入り切らず、「またやっちゃったよ」と思いながら、22㎝に入れ替えてたりする。

 

「大同電鍋」を通販するサイトのレビューを見ても、「悪いことは言わない。置く場所があるなら、Lサイズを買っておけ」という意見が多数だ。Mサイズを買ったものの、Lサイズにしておけばよかったという声もある。

 

 これは一度、現物を見ておいたほうがいいだろうと、誠品生活日本橋に行ってみた。写真で見ていたときと同じく、Mサイズはかわいい、Lサイズはちょっと大きめの印象だ。見た目ならMサイズ、調理重視ならLサイズの読みは変わらずだった。

 

 対応してくれた台湾出身の店員さんは、「台湾はLサイズですよー。お皿ごと入れられるし、取り出すときも周囲に隙間が合ったほうがいいですよー」と言う。なんでもMサイズは、日本の住宅仕様に合わせて作ったものらしい。値段もMサイズとLサイズでは、2000円の違いだ。悩みに悩んだが、最終的にはLサイズで決断した。

 

 実際に届いてみると、床置きすれば、そう大きくも感じない。ティファールの圧力鍋より一回り大きいくらいの印象だ。重量が軽いのも、大きさの印象をやわらげているかもしれない。安全を考えたら、電源コードをコンセントに繋ぎっぱなしにするのではなく、使うたびに抜き差ししたほうがいいので、床置きで保管し、使うときは料理によって移動させることにした。ちなみにコードをまとめるクリップはついていないので、100円ショップで買ったケーブルバンドをつけている。 

 

 ↑こんなの。一度、まとめて買っておくと、あちこちで使えるので便利。

 

日本初の電気炊飯器と加熱の仕組みは同じ

 

「大同電鍋」ってなに?という人のために、あらためて説明すると、電気の調理鍋だ(そのまんま)。よみがなは、「だいどうでんなべ」。「でんなべ」が読みにくいけど、たぶんそう。それとも「でんか」?

 

 と、もにょもにょしていたら、公式ホームページの説明で判明。「でんなべ」で正解だった。

 

dennabe-official.tatung.co.jp

 

 構造や使い方は、上記の田中さんの記事がわかりやすいが、この記事でも説明すると、台湾の家庭で長年、愛用されている電気式の蒸し鍋である。構造はいたってシンプル。外釜と内釜があり、内釜は日本の炊飯器と同じく、取り外しができる。材質はほぼステンレス。それも割と薄手。内釜は100円ショップで買える洗い桶より、ちょっと厚手くらいだ。使うときには、外釜に内釜を入れ、その隙間に水を注ぐ。そして通電すると水蒸気が上がり、内釜の中身に火を通すことができる。付属品には平らなパンチングタイプのザルのような形をした蒸し皿もあり、内釜を使わず、蒸し皿で蒸すこともできる。

 

 

 じつはこの鍋の仕組みは、東芝が1955年に日本で初めて世に出した自動式電気釜(炊飯器)と同じ。外釜と内釜の間に注いだ水をタイマー代りにし、その水が蒸発したらスイッチが切れるようになっている。

 

 私も「大同電鍋」をきっかけに思い出したのが、「子どもの頃、炊飯器の外釜と内釜の間に水を入れるのが役目だったなぁ」ということ。水を釜に入れて使う炊飯器を記憶しているとすれば、50代半ばより上だと思うが。じつは今の我が家に、外見は「大同電鍋」そっくりの、スイッチしかない「ナショナル」(*1)の炊飯器がある。その炊飯器はさすがに元祖より進化していて、内釜と外釜の間には水は入れないで使う。

 

「大同電鍋」をあれこれ検索していると、日本の自動式電気釜が原型になり、蒸し料理文化の台湾で揉まれ、炊飯だけでなく、おかずも作れるように進化したというWeb記事も見かける。ただ、公式ページにない話なので、真偽は不明だ。

 

2015年から日本法人が販売を開始

 

「大同電鍋」は、以前から日本の台湾通の間では人気があったそうだが、長らく台湾から持ち帰るしか手に入れる方法がなかった。それが、2015年から、販売元の総合電機メーカー「大同公司」が日本法人「大同日本」を通して販売を開始。以来、じわじわと日本でも人気を集めている。ちなみに、「大同日本」の設立は1975年。主力商品が変圧器や配電盤、スマートメーターというところを見ると、日本の家電メーカーとも部品製造会社として長いつきあいがあるのだろう。

 

 台湾での「大同電鍋」の発売は1960年にさかのぼる。「アマノ食堂」のサイトには、同社のインタビュー記事もある。紙媒体系のメディアで推していたのは、「Mart」だ。「Mart」は雑誌とwebに掲載した「大同電鍋」のレシピを1冊にまとめたレシピ集を出したり、大同日本と組んでオリジナルカラーの電鍋を発売していた。「大同電鍋」の公式販売サイトで扱っているアクアブルーがそれだ。私はビアンキのチェレステカラーと言いたくなるけど。

 

「Mart」が力を入れていたのは2019年のためか、アクアブルーの鍋は今は「Mart」のサイトではなく、公式販売サイトで買うことができる。定番色のレッド、グリーン、ホワイトより値段はちょっと高いが、家に置いたとき、ホワイトほど寂しくなく、レッドほど存在感が強くないので、Lサイズでもこじんまりと収まる色だと思う。と、私はアクアブルーを選んだ。ちなみにレッドはややオレンジに近い鮮やかさ。グリーンは、トーンが抑えめだ。ビビッドな昭和カラーが好きな人はレッド、落ち着いた木造の日本家屋のような味わいが好きなら、グリーンがいいと思う。

 

 購入場所は大同日本が運営するネット通販とリアル店舗がある。

 

[ネット通販]

Yahoo!ショッピング

store.shopping.yahoo.co.jp

 

大同電鍋 楽天市場

www.rakuten.co.jp

 

私は先に楽天市場でプレゼントされるレシピ本を買っていたことと、Yahoo!のほうが全体のセールで割引きがついたので、Yahoo!ショッピング経由で購入した。

 

[実店舗]

誠品生活日本橋

www.eslitespectrum.jp

 

 台湾の食材など食料品や食器、調理器具を扱っているコーナーに陳列してある。日本向けのスペシャルバージョン、黄色のMサイズも販売していたので、見ることができた。ひよこカラーでこれもかわいかった。(2020年11月末現在)

 

「大同電鍋」には、大勢の強者ユーザーがいる。そんな人たちが集まるFacebookグループがあるし、ブログ記事もあれこれヒットする。公式ホームページやMartのサイトにもレシピや使い方が紹介されている。Youtubeの情報も分かりやすい。そんな情報を探しながら、ぼちぼち使っていくつもりだ。

  

*1 ナショナル

冷蔵庫や掃除機などの家庭用家電、住宅関連事業は「National」、テレビなどのオーディオ製品系は「Panasonic」のブランドで展開していた松下電器産業が、社名もブランド名「Panasonic」に統一したのは2008年のこと。理由は、グローバル戦略を見据えての変更。「Panasonic」の名称を作ったのも、「National」では海外でブランド名として通用しないから、だったような気がする。

「ナショナル」は長年、親しまれていたので、ブランド名の統一に昭和の終わりを感じた人も多かった。

 

さらに言うと、「Panasonic」への移行と同時に、もともと松下電器からのれん分け企業だった三洋電機を合併することになり、これも当時、話題になった。

手の届きやすい価格でデザインと性能もよかった家電を販売する一方で、充電池の「eneloopエネループ)」、米粉ではなく、米からパンを作れるベーカリー機「GOPAN(ごぱん)」のようなユニークな製品開発で市場開拓もしていたからだ。

などという動きも、すでに一昔前の話。2022年には持ち株会社制に移行し、社名が「パナソニックホールディングス」に変わるそうだ。